新年明けましておめでとうございます。

随分以前だが、飲み友だちと酒場で飲み始め最初からずーっと食べ物の話ばかりしていた。もともと、二人で食いしん坊で飲ん兵衛だからこそ飲み友だけれども、その時は久しぶりに会ったからだろうか、こんなものを食べたとかこんな料理を作ったとかとにかく延々、食べ物の事で二人で盛り上がって酒を飲んでいた。1時間ばかりたったのだろうか、隣で飲んでいたひとり飲みの客が
「よくも、まあ、そんなに食い物の話ばかりしていられるな」
と、喧嘩を売る様な態度で言って来た。もともと、機嫌が悪かったのだと思うが、それにしても僕たちの食い物話に言い掛かりを付けにくるとは何だか笑ってしまった。

↑たぶん、もれなしにこの文庫のシリーズは持っている。実は、家風呂での愛読書で、順繰りに何度も読み返しているのでだんだんふやけて傷んで来てるのが申し訳ないのだが。
累積200万部突破と最近刊の文庫本の帯にもデカデカ書かれていたくらいの名著、人気の食い物エッセイ『丸かじり』シリーズがある。著者の漫画家・東海林さだおさんが、そのシリーズの中で書いていたことで、人には2種類いて、自分の食べたものをちゃんと覚えていて時々思い出してはあれこれ考える人とまったく自分が食べたものなんて過去の事に捕われないし思い出しもしない人。もちろん、著者の東海林さんは、あれこれ考え、目をつけ、長年食べ物だけの文章と絵を描き続けて本を出し続けて来た、超人なのだ。
件のその飲み友達に勧められた『キャベツの丸かじり』以来の熱心な読者であった訳だが、その飲み友にまたまた勧められたのが『ひとり飲み』のブログだった。昨年から、東京を離れてしまったこの飲み友とは、遠距離の付き合いでなかなか一緒に飲めない事情もあり、少なくても俺が読むからと背中をポンと押してくれた。
数少ない、もう一人別の飲み友とこの二人にしか『ひとり飲みブルース』のブログを書いている事は、言っていなかった。密かに続ける事もないかと、ふと思いつきで友人知人に年賀状で知らせる暴挙に出てしまった。
考えてみれば、事務所の社長にも年賀状は出す訳で、そうなると早く帰って飲みに行ってるのかと筒抜けになったり、相変わらずバカな事してるなと、親戚とか古い知り合いからも言われちゃいますね。しかし、まあ、取り繕ってもこんな男だと初めからばれてもいるだろうし、良い子ぶってはブルースにならんもの。
東海林さんの足下にも近寄れないけれど、そこは、地道にあれこれ食べて飲んで考えた事を書くのを来年も続けて行きたいと、年末、帰省する前にご挨拶をさせて頂く訳なんです。

↑基本的に年賀状は、近況報告的な意味合いで毎年出しているのでこんなことに。自分の顔はどう使っても文句は出ないので、扱いやすいが、やっぱり恥ずかしいけどね。
年賀状見て、検索し開いてくれた人もそうでなく『ひとり飲みブルース』に到達してくれた人達も、心から
2011年もよろしくお願いします。
と、年賀状のように年も明けずにアップして今年を締めくくり
新年のご挨拶とさせて頂きます。