『おおはし』に行きたいのだ。

今週は、どうするかって考えるもなく『おおはし』に行きたくなっていた。もう、なんだかぜんぜん上手く行かん、どうしていいのやらわからんなぁ、って感じ。別にたいした責任もないし自分が自分なりに生きて行ける事を考えればいいのだけれど、何だかせつないな、と思う毎日で、週末、金曜日には飲みに行くぞと、心に誓うのであった。
遅くなってもぜったい行くぞ、と、思っていた『おおはし』だったけれど、いい時間に勢いで事務所を出てしまった。8時少し過ぎ北千住に到着で足早にお店に行くと、待っている人もいないしすぐにおやじさんの手招でカウンターに落ち着いた。

↑何度来ても、金宮焼酎炭酸梅割と肉豆腐の食べ飲み始めが、ううん、嬉しい。

↑半生、いや、4分の3は生の軽〆のさば。

↑カンパチもこれだけ旨いと認識も変わる。
メニューにシメサバがある幸せを目で噛み締めながら、肉豆腐を空きっ腹に入れて、金宮炭酸梅わりをぐいっと飲むとしみじみと深いため息が出た。
肉豆腐と同時に頼んだ、シメサバと金目鯛刺身だが、金目が終了でカンパチならと言われたので率直にお願いする。
このカンパチが、旨かった。一時のハマチのような養殖でふにゃふにゃのカンパチのお刺身が出回っているのでちょっとなと思っていたが、ここのは違った。ぷきぷきとした歯ごたえがあり、適度な脂ものっていて旨味も十分だ。浅締めのシメサバと共に堪能した。それでは次と考えたら、やっぱり貝かな、おおはしではよく食べるけど赤貝のお刺身。捌きたてに近いくらいの貝独特の香りを残しているし、ひもと貝柱もちゃんと付いている。しっかり、二個分は食べごたえがある。

↑生もので、やっぱり貝類外せないよな。

↑ああ、照り焼き。寒くなって来てぶりが良くなって来たなぁ。厚切りがたまりません。
赤貝と同時に頼んだのが、ぶりの照り焼き。じっくり焼き上げられた、厚切りのぶりを早く食べたいと気が急いて写真を撮ったが、ひと箸めを真ん中ざっくりと大根おろしのみに醤油を滲ませたのと一緒にぱくりとやると、もう、たまりません。その気持ちを押さえられなくて、もう一枚写真を撮りたくなった。食べる前の急ぐ気持ちと、一口食べた至福の状態の一枚って具合。

↑無傷の照り焼きより、箸を付けて見かけは悪いが、今この瞬間が至福の時です。
ここらへんで、だんだん、旨い食べ物と金宮焼酎で頭が幸せのうちに痺れて来た。いい気分だ。それにしても、おおはしのおやじさんますます、絶好調。今年からの土曜日休業方針が、大成功と言えるだろうし、本当におおはしで飲み食いしたい客もなんとか算段して来てしまうものだ。
仕上げの前に、さっぱりした酢の物、ナマコ酢をもらう。こりこりの食感がいいし、関西育ちには醤油仕立ての合わせ酢に最初は戸惑った。酒のアテとしては甘くなくていいのではと東京・下町風に慣れて来たかな。

↑なまこは、自分で捌くのは2度とやりたくない。手で触る感触があんなに嫌なのに、食べる分には嫌などころか大好きでなんとも不思議。

↑オムレツを食べる頃には、ほんわか、ゆるゆるの自分がいる。これも、まったく不思議なのだ。
この時間にもまだ待っている人がいるし、そろそろ、〆のオムレツに行こうか。
隣の1人客が一足早く席をたったので、次の人が呼ばれたが二人連れだった。時間も遅くなって来たし、カウンターの継ぎ目にはみ出して無理矢理一席作る事も出来るが、後一口のオムレツで終わりそうなので、お勘定してくださいと席を立った。待ち遠しかったのだろうか、この二人、たいそう喜んでくれた。一人のおっちゃんは、肩までもんで「ありがとうね」と。ちょっと気持ち悪かったが、悪い気はしなかった。