ワルキューレ

movie_kid2009-03-29

世界大戦で、ドイツ軍がどうだったかも知らないで
無邪気に田宮のプラモデル、喜んで組み立てていた感覚がよみがえって来た。
映画に出てくる戦闘機や戦車が、それは凄くカッコいいんだ。
特別な現像処理をしていると思うが、青白っぽいハイライトが強い野外の映像が
機能美だけでは留まらない、それら戦闘の機器が鈍く輝き魅力的に映されている。
ドイツ軍人も例外ではなく、全世界を相手に屈服させようとまでした
最強の軍隊は、悪の根源と世界中の人々の心に刻まれているイメージとは
ちょっと違うぞ、と思わせる。総統のヒトラーが狂気にまい進して行こうとするのを
世界とドイツ祖国のために反逆者になってでも阻止しようとした男たちがその中にいたのだ。
正義のための作戦が開始され、一気に緊張が高まりそれが持続する。
さすがトム・クルーズ、作戦の似合う役者だ。秘めたる熱い志を感じさせつつ
クールに作戦を遂行して行く。
しかし、だ。作戦が終わったら急激に吸引力が落ちて行く。
そこに何かが足りない事で、男たちのその後が釈然としないまま事が進む。
畳み掛けるよりは、逆に時間をかけているのに伝わってくるものがないんだ。
作戦のエンターテイメントとそれに釣り合う結果から醸し出されるものの不足を感じた。
トム・クルーズには、その先を演じることが出来ないのかもしれないし
ブライアン・シンガー監督が、大作は撮れても切れを失ったのか。
歴史そのものの重さに、バランスをなくしたのかもしれない。