映画、ひとり飲み、そして散歩と楽しみはひろがる


趣味は、何ですかと聞かれたら今までは映画と答えていた。50歳を過ぎたあたりから、映画と“ひとり飲み”と答えることにしている。だいたいの人が“ひとり飲み”と聞いてもピント来ない顔をすることが多いから、趣味のひとつにならないのかも知れないが、本人は楽しんでいる。
最近、もう一つ趣味を加えようと思うのが、散歩だ。金もかからず気分転換にもなり、とにかく、時間があると歩こうとする。普段は、仕事で室内に閉じこもりがちでその反動からだと思う。休日に六本木で映画を観て、さて、午後も過ぎたばかりだが、ビールでも飲もうと思いつく。六本木ヒルズに、ドイツビールを飲ませるオープンテラスのあるレストランも最近知ったが、どうせなら、日比谷公園の中の緑に囲まれた『日比谷茶廊』の方がいいなと、おもむろにこれも最近購入したiPodナノの万歩計をセットして歩き始める。

六本木ヒルズから、日比谷公園を経て、銀座ライオンまで、7,455歩 約6.08キロだった。
路上の地図も確認するが、六本木界隈だと日比谷はエリア外で表示がなくコースを明確に確かめられないが、方向さえ間違っていなければいいかと曲にあわせてどんどん足を進めると、東京タワーが目前まで迫って来たのでさすがに方向修正をして霞ヶ関、日比谷へと普段こんな官庁街も歩かないので、きょろきょろしながら1時間ほどで日比谷公園に到着。
日比谷公園の大イベント、オータムフェステバルも終わっていると思ったが、秋はイベントが多いのか今日も噴水広場は人であふれていた。
なんだか、悪い予感がして目当てのレストラン『日比谷茶廊』に行ってみると予感的中、結婚披露パーティーで貸しきりだった。いやはや、足もすっかりくたびれてのどもカラカラだったが、しかたがない。『銀座ライオン』まで、もうひと歩きして足をのばすことにする。


一見して、どこにでもあるビアホールの銀座ライオンだが、ここは店内が違い、いい雰囲気で豪快に生ビールが飲める気がする。


琥珀ヱビスの生ビールは、コクといい喉ごしといい、お気に入りのビール。

2杯目はハーフ&ハーフで、つまみににしんマリネ。

黒豚のソーセージ、ひとり用に分量がちょうど良かった。

銀座ライオン』の外観は、すかっり今風のビルでも中の大ホールの雰囲気は素晴らしい。古風で頑強な創業当時を彷彿させる店内に、どれだけの人が大きなジョッキーを傾けているのか見当もつかないが、ホールは常時満席状態で、店のスタッフはめまぐるしく動き回り、ビールや料理を席に運んでいる。そのテキパキした動きに見とれながら飲む、琥珀ヱビスの生はとても旨く、何度かこの店に来ていながら一人できたのは初めてで、これほど“ひとり飲み”にいい店とは思わなかった。
入り口に近い壁沿いの席だったが、店内全体を見渡せることができる。これが、二人だとどちらかが壁側を向くことになり楽しみは半減するが、一人だとたっぷり店内を楽しみながら飲み食べすることができた。
“にしんのマリネ”も“黒豚のソーセージ”も程良い盛りで、ビアホールは、決してグループやアベック専用でなく、ちょいと休日昼間のビールを楽しみにひとり飲みにも最適で、また来たいと思った。(9月22日 飲)

翌日が祝日で、またも日比谷公園に来て、念願の『日比谷茶楼』へ。

キルケリーのワンパイントと生ハムで、ゆったりとした祝日の午後。もちろん、ビールは一杯ではすまなかった。