やっと『おおはし』に飲みに行けた。


ずっと北千住『おおはし』にいきたいと思い続けていた。
今年になって、まだ、一度も飲みに行ってないのだもの。仕事の具合もあれば、あれこれといろんなことが重なってタイミングを逃していた。今日は、青色申告会で書類を作る日で、仕事は休みだ。昨年の収支の決算を終わらせれば、やれやれお疲れ様といった感じで、夕方には銭湯に入り『おおはし』に行くことにした。

営団地下鉄の駅のポスターに銭湯をどーんと写したのを最近目にしたが、北千住の『大黒湯』だった。『おおはし』に一番近かった『梅の湯』が廃業したので、飲む前に時間があるときはこの銭湯に来ていた。庭に面した露天風呂もあり、富士山のペンキ絵も立派で、いい銭湯だ。

↑まだ、早い時間だからと余裕で入ったら、ほぼ席がうまっていた。相変わらずの人気店だ。
ただ、気になることは、昨年12月に飲んだ時、店の手伝いのおやじさんにここは写真撮影ダメだよ、と言われていた。『おおはし』のおやじさんに言われた訳でも息子の若旦那にも言われてないけど、何だか気になっていた。基本的に、自分の食べるものの写真を撮ってなにが悪いのかわからないが、飲み屋でカメラを持ち出していること自体がダメといわれたら言い返す言葉もない。無神経に写真を撮っていいのかなと、思いはじめていた。
同じ店で、同じような写真を毎回アップしてどうなのと思うこともありながら、今日飲み食べしているものは一期一会で、毎回違うよと写真をのせていた訳だが、どうやら、ここらでその必然性を疑問に思ってきた。そんな、迷いがあったから最初の煮込みを撮ってから、その後の写真が撮れなくなった。

↑はじまりの肉豆腐。
しめさばとかますのたたき、撮りませんでした。「今日は、塩焼きですがどうします」のおやじさんの言葉に、すかさずお願いした金目鯛の塩焼きも旨かったが、写真なし。写真がなくたって、旨いに変わりなく、のれそれ(穴子の稚魚、早春の食材)も食べたが、撮らなかった。撮らないとなれば、だんだん、気軽になってくるのも事実で、いい気分で酔っぱらってきた。
隣の常連らしいおじさんに「旦那さん、強いね」と、横から言われてはっと気がついた。新しいボトルが、ほとんど飲み干そうとしていた。いかん、これは飲み過ぎだ。いろいろ、考えながら飲むとろくなことはない。オムレツまで、ちゃんと食べてあわててお勘定した次第。酔っぱらったついでに、最後のオムレツの写真は撮ったのでした。

↑そして、終わりのオムレツ。やっぱり、写真が少ないと寂しいな。
帰り際、奥さんにもよろしくと『おおはし』のおやじさんに言われ、かみさんに話せば喜ぶだろうなと思いながら帰路についた。さて『おおはし』で食べたものの写真撮ってもよいのだろうかとの迷いが残ったが、後からこの文章を書きながら食べた料理の写真がないのも、寂しく感じた。写真を見ながら、ひとつひとつ思い出すことも多かったりするしなぁ。と、迷いは深まるのだった。