梅雨空だからか、空席のあるカブト


新宿西口、昔「さくらや」で、今「ユニクロ」があるビル横の青梅街道方向に緩く坂になった思い出横丁、看板をくぐる中通りからいつも入る。
狭い横丁をどんどん行くと、ちょうど真ん中あたりに道がちょっとクランクになったところにあるウナギの串焼き専門のカブト。このブログを書き始めてからは、店に入る前に必ず本日のカブトの写真を撮ることにしている。毎回、ほとんど代わり映えのしない写真なのだが、今日は正面の椅子に空席がいくつかあり驚いた。

↑ぱっと見で、4席も空いている。すぐに飲み食いできるから、いいと言えばいいのだが。
のれんの中に首を突っ込んで見ると、奥はきっちり埋まっているので、焼き台正面のあいてる椅子にそのまま座った。ウナギを焼くおやじさんは、渋い顔で空席のある状態が、そのまま経営者の心情で顔に出てるのだろうか。
でも、そんな空席もすぐに埋まったりもするのだが、昔の土曜日が「半ドン」午前中が仕事で午後から休みの世の中の頃までは、もう、ひっきりなしにお客さんが来たものだとおやじさんから聞いた事がある。

↑大きなラッキョ入りお新香もうれしいが、レバ串もたいへんうれしい。
おやじさんの渋い顔になれない客は、少々、緊張気味に飲み喰いしてる。焼き台の煙さも手伝ってか、苦虫をかみつぶした顔は、別に怒ってる訳でもなく、おやじさんがぽつりと話すことに、こちらも気軽に答えたりで結構、焼き台前の席も楽しい。
「今日は、間に合いました」と、焼きあがったレバ串をそっとお皿にのせてくれる優しさもうれしかった。焼き台にこぼれんばかりにウナギをのせ、焼くのに忙しいときもおやじさんは苦虫顔になっているのだが、ちょっとしたお客さんとのやりとりで、ぱっと顔が明るくはじけ、子供の様に純真で好奇心旺盛なくりくりっとした眼になるかわいらしさも持ち合わせている。八十歳、目前の現役ばりばりのおやじさんに今日も元気をもらって、いい気分で家路についた。

↑最近は、追加を1本でも焼いてくれるみたいだが、2本が基本だ。一通りの7本と追加のマル塩2本で、満足する。
ところで、前回の「おおはし」ひとり飲みに★★★をいただいた。このシステムのことは、よく知らないが「いい酒飲んだね」と、言ってもらえたと勝手に判断して、有り難く頂戴。