おやじの雛人形


↑本当に手のひらに載るサイズの雛人形。懐かしい。
和歌山に住む姉からのメールに一枚の写真が添付されていた。小さな小さな雛人形で、姉が父親に買ってもらったものだと、ひと目で思い出した。子供の頃、毎春テレビの上に飾っていた。二人の子供、それに孫にも恵まれた姉だが、みんな男だから今だに自分のためにこの時期、雛人形を出してくるそうだ。今となっては、ひな祭りというより、おやじの形見としての方が姉にとっては大きいのだろう。
おやじは、酒飲みだった。仕事もたくさんしたそうだが、毎晩飲み歩いて仕方がなかったと母にも叔母さんたちにもよく言われた。子供心にも酔っぱらったおやじのことは、こわごわと覚えていたりする。そんな酒飲みおやじが、我が子、娘のために雛人形のでっかいのを買ってきてやるとお金を握りしめて出かけたなり帰ってこない。いつものごとく握りしめた金は飲み代に消え深夜の帰宅となったが、申し訳のように本当の菱餅サイズのミニ雛人形は買ってきたそうだ。
笑っちゃうくらい小さな雛人形は、小さくて扱いやすいからだろうか、小さくても愛情がこもっていたからだろうか、大事にされ娘が嫁いでもちゃんと携えて桃の節句に埃を払われ飾られ続けている。
     ◎
週末、飲みにいけるかどうかと思っていたが、どうやら、上手い具合に仕事の片が付きそうだ。頑張って終わらせて「おおはし」に行きたいなと思ったら、ちょうど前回の金宮ボトルのキープ今日までだった。飲兵衛だったら、ちゃんと自分の酒は飲み干さないとね。
今夜は、久しぶりに同輩の酒飲みだった親父のことを思い出しながら、金宮酎ハイを飲むことにするか。

↑週末ここに立てるのは、なにものにもかえがたい自分へのご褒美だ。

↑小柱、シャコ、鮎たたきの3品しか生ものないよと座るなり言われて考える間もなく三つとも頼む。鮎たたき、初めて食べるもので『せごし』とは違い、身だけだった。鰯刺しほどの癖もなく旨いものだった。

↑悲しいかな照り焼きも品切れで、イカ焼きがかろうじて残っていた感じ。姿焼きではなかったが、柔らかい焼き上げでこれも旨くて酒がすすむ。時期のもの、菜の花も一緒に。

↑なまこは、程よい厚切り。

↑そして、オムレツでお楽しみ終了。

↑ああ、美味しかった。